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【前編】SWC埼玉フォーラムが戸田市文化会館で開催されました(筑波大学大学院・久野譜也教授が登壇)

  • 2月2日
  • 読了時間: 5分

更新日:2月4日

埼玉県内の首長らが「健幸まちづくり」をテーマに

“選ばれるまち”を実現する政策について熱く議論


Smart Wellness City首長研究会が主催する「Smart Wellness City埼玉フォーラム」が2026年1月28日(水)、戸田市文化会館で開催されました。本フォーラムは、首長間の実践共有と意見交換を促進し、国への政策提言や支援獲得に繋げていこうと企画・実施されたものです。


開催委員長となった戸田市・菅原文仁市長の開会挨拶によりフォーラムが始まりました。続いて、埼玉県 保健医療部 健康長寿課の植竹淳二課長より、埼玉県・大野元裕知事より本フォーラム開催にあたって頂戴したメッセージが代読されました。


本フォーラムには、戸田市とともに幹事自治体となった美里町・原田信次町長、本庄市・吉田信解市長のほか、秩父市・清野和彦市長、小鹿野町・森真太郎町長、神川町・櫻澤晃町長、上里町・山下博一町長、毛呂山町・井上健次町長、東秩父村・高野貞宜村長、入間市・濱川敦副市長が参加され、まちの紹介を交えながら挨拶を行いました。


              SWC埼玉フォーラムの様子(戸田市文化会館)     



「これからの政策の中核はWell-being(健幸)―SIPの成果から見えた健幸を可能とする政策パッケージとは―」をテーマに基調講演をおこなった筑波大学大学院・久野譜也教授は、健康政策の軸を疾病予防からウェルビーイング向上へ転換する重要性を強調しました。社会的孤立は重大な健康リスクであり、高齢者に限らず多世代交流を促す環境づくりが不可欠と指摘。


無関心層を含むポピュレーションアプローチでは、健康ポイント等のインセンティブを3年以上継続することで、医療・介護費の抑制効果が期待できるとしました。さらに、歩きやすい都市設計や複合施設整備が自然な健康行動を促す点、若年女性の痩せ過ぎ問題の背景にある無意識の偏見にも警鐘を鳴らしました。そのうえで、「今後自治体は、都市施策と健康施策を一体で捉えた中長期的な政策設計が求められる」と首長らに訴えかけました。


              基調講演をおこなう筑波大学大学院・久野譜也教授



続くパネルディスカッションⅠ「85歳以上人口高止まりの中での健幸まちづくりの先進施策とは」では、美里町・原田信次町長と筑波大学・久野教授が司会をつとめるなか、3名の登壇者による話題提供の後、総合討論が行われました。


話題提供①:

「まちづくりと健康政策の掛け合わせの重要性」/つくばウエルネスリサーチ・福林孝之執行役員

これまで、つくばウエルネスリサーチが支援してきた自治体の健幸ポイント事業の成果について、エビデンスを示しながら説明し、政策効果を出すためのノウハウについて言及しました。そのうえで、スマートウエルネスシティを実現するためには、ハード・ソフト事業を融合させ、総合政策として実施することが重要性であると述べました。さらに、多分野で連携・協働することにより自治体経営・地域経営の改善を図るコア人材を育成する「ウエルネスマネージメント研修会」を紹介し、同研修会ではイノベーター能力の向上を目指していることを強調しました。


話題提供②:

「健幸都市実現のためには公共交通政策との連動が必要 ―国が進めるモビリティハブの重要性―」/日建設計総合研究所・安藤章主席研究員

人口減などにより公共交通の減便や廃線が相次ぎ、移動に関するアクセスの悪さが社会的孤立やフレイルに影響することを指摘。地域交通の拡充のみでは孤立・孤独を解消しきれないことも強調しました。そのうえで、空白領域の補完、高齢化や子育て等の新たな移動ニーズを踏まえた新しいラストマイルモビリティが注目されていることに言及。地域特性に応じた適材適所の組合せ、鉄道や幹線バスなどの幹線交通との接続方法が重要であると述べました。また、多様なモビリティの乗継(ハブ)の機能を持つ「モビリティハブ」では、乗継抵抗感を減らす「時間消費機能」の創出がポイントであるとし、コミュニティ政策とセットで実施することが重要だと話しました。


話題提供③:

「日常的な外出・交流の重要性と移動の課題~SIPと多摩市の挑戦~」/筑波大学SWC政策開発研究センターアドバイザー・青木由行元国土交通省都市局長

単身世帯や生涯未婚の増加により、あいさつ程度の緩やかな関係を求める人が増えている現状や、こうしたつながりの喪失が社会性の低下を招き、フレイルを加速させる要因となることを指摘しました。また、孤立・孤独は死亡リスクを高め、外出頻度が週1回以下では閉じこもり傾向が強まることを、エビデンスを示しながら説明。一方、フレイルには可逆性があり、日常的な外出と交流を週2~3回以上確保することが重要と強調しました。徒歩が困難な高齢者に対するスローモビリティの提供や、地域と連携したローカルマネジメント体制の構築が、今後の自治体施策の鍵になるのではないかとしました。



               パネルディスカッションⅠの登壇者ら


次に、戸田市・菅原市長より「戸田市が進めるスマートウエルネスシティ政策とは」をテーマに幹事首長講演が行われました。戸田市は今年、市制施行60周年を迎え、平均年齢42歳、高齢化率17%と埼玉県内で最も若く活気ある都市であることを紹介。一方で、65歳健康寿命が県内で低水準にあり、前期高齢者の医療費が高額となっている課題を踏まえ、将来の高齢化を見据えた長期的な予防施策の必要性を強調しました。


こうした背景からSWC首長研究会に参画し、分野別に分断されていた施策を横断的に統合する「SWC推進プラン」を2024年3月に策定。まちなかを歩きたくなる環境づくりを軸に、ウォーカブル施策や自転車政策、市民協働による健康づくり、女性や子育て世代、シニアまでを対象とした多世代交流施策を展開している、と説明しました。さらに、北戸田駅周辺の公共空間再編や、健康無関心層の行動変容を促すインセンティブ事業、産後支援、社会的処方の取組みなどを組み合わせ、市民の健幸寿命延伸と都市の魅力向上を同時に実現するまちづくりを目指す考えを示しました。


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