【後編】SWC関西フォーラムが京都府 八幡市役所で開催されました
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“出かけたくなる”まちづくり戦略
健康と交通の好循環創出を目指し議論
Smart Wellness City首長研究会が主催する「Smart Wellness City埼玉フォーラム」が2026年2月13日(金)、京都府 八幡市役所で開催されました。本フォーラムは、首長間の実践共有と意見交換を促進し、国への政策提言や支援獲得に繋げていこうと、企画・実施されたものです。
本フォーラムの後半では、幹事首長講演として、京都府八幡市・川田翔子市長が「八幡市が進めるスマートウエルネスシティ政策とは」をテーマに登壇しました。川田市長は、同市において急速な人口減少と高齢化の進行が大きな課題となっていることを共有。1970年代以降の大規模住宅開発で移住した世代が後期高齢期を迎え、医療費や扶助費の増加が市財政を圧迫している現状を話しました。こうした状況を踏まえ、市はスマートウエルネスシティ首長研究会に参画し、「やわたスマートウェルネスシティ計画」を策定。都市整備と健康政策を連動させる“0次予防”の考え方のもと、病気になりにくい環境づくりを進めていることを紹介しました。
具体策として、歩数に応じてポイントを付与する「健幸ポイント事業」を継続し、医療費・介護給付費において抑制効果が確認できたことや、母子支援ではMOM UP PARKに参加し、対面とオンラインを組み合わせたプログラムで育児期の孤立予防と心身のケアを支援していることについて紹介しました。さらに、モビリティハブの検討や市民防災広場の整備など、出かけたくなるまちづくりにも着手しており、健康を軸に「人とまちの好循環」を生み出す取り組みを加速させていることを強調しました。
続くパネルディスカッションⅡ「85歳以上人口高止まりの中での健幸まちづくりの先進施策とは」では、和泉市・辻 宏康市長と筑波大学・久野譜也教授が司会をつとめるなか、3名の登壇者による話題提供の後、総合討論が行われました。
話題提供①:
「健幸都市実現のためには公共交通政策との連動が必要 ―国が進めるモビリティハブの重要性―」/日建設計総合研究所役員・安藤章主席研究員
「公共交通政策とモビリティハブ」をテーマに、交通と健康、そして孤立対策の密接な関係を強調。国内外の研究では、公共交通の利用が歩行機会を増やし、BMIや生活習慣病の予防に寄与することが示されていることを紹介しました。一方、英国では孤独対策の観点からも公共交通の重要性がガイドラインとして示され、単に交通を整備するだけでなく、外出を促す伴走支援やコミュニティ形成と組み合わせることが有効とされていることについても言及しました。
こうした考え方を具体化するのがモビリティハブであり、鉄道やバス、AIオンデマンド交通、シェアモビリティなど多様な移動手段を結節させ、待ち時間を交流や滞在の価値に転換する拠点づくりが鍵となることを強調しました。さらに、ハブは単独ではなく、都市内に複数配置しネットワークとして機能させることが重要だと指摘。公共交通とコミュニティ政策を統合した戦略的展開の必要性を訴えました。
話題提供②:
「健幸都市・にしわき」の実現を目指して ~健幸まちづくりと公共交通施策~」/兵庫県西脇市・片山象三市長
スマートウエルネスシティ首長研究会参画後、医療費の大幅な抑制効果を上げており、1人当たり最大年間約19.6万円の医療費・介護給付費抑制を実現したことを紹介。市役所内での健康教室には約600人が参加し、一定年齢以上の高齢者が参加することで高い効果が得られたことについても言及しました。また、医師の参加判定を得たうえで実施することで、安全性と成果を両立していることを強調しました。加えて、歩数競争や「健康アンバサダー」制度(登録753人)により市民の行動変容を促進し、交通空白地対策としては、デマンド型交通「ムスブン」や循環バス「メグリン」を導入し、70歳以上で移動に困る人の割合を4年間で53%減少させた成果について紹介しました。庁舎周辺の歩きやすい環境整備も進め、健康と移動を一体で捉えるまちづくりを展開していることについても触れました。
話題提供③:
「地域金融グループによる地域モビリティへの取組み」/池田泉州銀行 地域共創イノベーション部・岡田知也部長
地域金融機関が交通政策に参画する意義について説明しました。2024年3月に設立された子会社「池田泉州エリアサポート」では、AIオンデマンド交通の導入・運営支援を開始し、自治体や交通事業者の間に立つコーディネーター役を担い、高齢者に配慮したコールセンター設置等、きめ細かな対応を行っていることを紹介しました。
また、停留所を商業施設や医療機関に設け、スポンサー料や車内広告で収支改善を図る仕組みを構築していることにも言及。鉄道事業者とのポイント連携や、健康講座・金融トラブル防止セミナーなど“外出のきっかけづくり”も展開しており、人口減少下で地域経済を支えるため、交通を軸に官民をつなぐ新たな金融の役割を提示しました。




