PFS活用による自治体飛び地連携型健幸ポイントプロジェクト成果報告会を開催 約200名の自治体・企業関係者がハイブリッド参加
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第4期参加4市町村で医療費・介護給付費の抑制効果12.5億円
KGI達成には「KPI管理」と「PDCAマネジメント」が不可欠
スマートウエルネスシティ首長研究会(弊社:副事務局)が主催する「PFS活用による自治体飛び地連携型健幸ポイントプロジェクト成果報告会」が6月25日、筑波大学東京キャンパス文京校舎で現地・オンラインのハイブリッド形式で開催され、弊社代表で筑波大学大学院教授の久野譜也氏が登壇しました。
講演では、同プロジェクト第4期(2021~2025年)に参加した4市町村における医療費・介護給付費の合計抑制額が目標額6.5億円に対し、12.5億円に上ったことを振り返り、「どのように展開すれば効果が出るか、コツがわかってきた。政策上のポイントを外して実施しても効果は出ない。どこに手を掛けるかが重要」と述べ、財政部門を説得できる効果を出すためのポイントについて解説しました。

現地会場で登壇する久野譜也教授(弊社代表)
一つ目のポイントは、KPI(重要業績評価指標)の設定。数千万円をかけてアプリを導入したものの、医療費・介護給付費の抑制効果が180万円程度にとどまったある政令指定都市の例を挙げ、「我々がコンサルティングした京都府八幡市では、3億8000万円の財政効果が得られた。そのポイントは、年齢区分ごとの参加者数の目標設定。最も医療費がかかる年代は、分析すればわかる。効果を出すには、その年代の参加をしっかり促すべき。後期高齢者医療制度などへの拠出金もあるので、この年代の医療費等が下がれば、自治体経営上のメリットは大きくなる」と指摘しました。
あわせて、健幸まちづくりの観点から、その年代が元気で活躍できる環境整備の重要性も示唆しました。さらに、医療費等がかかる健康無関心層の参加を促すには、広報誌ではなく、「口コミ」が効果的と指摘。第4期の参加4市町村では、参加者1万474人の87.0%が「運動不十分層」であり、要介護認定発生率も55%抑制されていたと述べ、口コミによる参加促進の重要性を強調しました。
もう一つのポイントは、「最初の3か月の介入」の大切さ。「最初の3か月間の歩数アップが医療費等を抑制することがわかった。ベースラインから歩数が増えない低空飛行層は、その後も伸びない。したがって、最初の3か月間に注力することが大事。参加時にどのような情報提供を行うかも大事な視点だ」と指摘しました。

「PFS活用による健幸ポイント事業」の政策効果を解説する久野教授
これらを踏まえ、KGI(重要目標達成指標)達成には、「KPI管理とPDCAマネジメントが不可欠」と強調。「必要な業務に時間を割くためには、スクラップ&ビルドも必要。ある自治体の高齢者部門では、一年間で残業を40%減らせた」とも述べました。
今後に向けては、「これからは医療費・介護給付費だけでなく、Well-beingへの貢献も評価する視点が欠かせない」と述べ、「健診・疾病予防至上主義からWell-being向上へのシフトがこれからの政策のポイント」に論及しました。幸福度の要因を共分散構造分析で解析したところ、「起点はヘルスリテラシー向上だった。これが高まればセルフエフィカシーが改善し、ソーシャルキャピタル向上につながり、最終的に幸福度の向上に帰する。こういうエビデンスを押さえて、ハイリスクアプローチに偏重せず、効果あるやり方、効果が出る規模での実践を事業計画に明記して展開すべきだ」と訴えました。
このほか、自身が委員を務め、これらの成果も踏まえた厚生労働省「個人の予防・健康づくりに向けたインセンティブを提供する取組に関するガイドライン」におけるインセンティブ施策の設計ポイントも紹介しました。
一方、「5年間の健幸ポイントプロジェクトによる成果報告」では、西脇市(兵庫県)、大野市(福井県)、南丹市(京都府)、金ヶ崎町(岩手県)の担当者が登壇。医師会による参加勧奨、継続参加者を増やすための5000歩未満者のポイントを優遇した底上げ策、中途脱落者対策、歩行速度を上げる筋トレとの組み合わせといった効果を高める実践事例や工夫が数多く紹介されました。

久野教授の講演を聴く現地参加者ら