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【開催報告】第34回Smart Wellness City首長研究会が新潟県見附市で開催されました

  • 4 日前
  • 読了時間: 6分

更新日:44 分前


健幸都市の実現に向けた最新動向と実践事例を共有

スポーツとデータ活用による地域価値向上を議論



Well-being向上を軸とした持続可能な地域づくりを全国の首長が議論

人口減少・少子高齢化が進行する中、地域の健幸をいかに高め、「自然と健幸になれるまち」を築くか。Well-beingの向上を軸とした持続可能な地域づくりについて議論を深めるべく、全国の自治体首長が一堂に会する「第34回SWC(Smart Wellness City)首長研究会」が2026年5月28日・29日、新潟県見附市の文化ホール「アルカディア」で開催されました。

本研究会は、地域特性を活かした健幸まちづくりを推進する首長間の連携の場として、年2回開催されているものです。現在は、静岡県三島市長の豊岡武士氏が会長をつとめ、弊社は副事務局をつとめています。研究会では、内閣府SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)第3期「包摂的コミュニティプラットフォームの構築」の最新動向をはじめ、デジタル技術を活用した政策形成、健康データの活用、スポーツによる地域活性化など、多様な視点から今後の自治体政策の方向性が共有されました。



健康を基軸としたまちづくりの成果と今後の展望

開催地である見附市長の稲田亮氏からは、「スマートウエルネスみつけ」のこれまでの歩みと今後の展望について講演が行われました。見附市では、健康運動教室や健康ポイント事業、公共交通の充実、魅力的な拠点施設の整備、地域コミュニティの育成などを一体的に推進し、市民が自然と外出・交流・運動できる環境づくりを進めてきた結果、介護認定率や医療・介護費の適正化、市民満足度の向上などの成果が現れていることが紹介されました。今後は、第6次総合計画のもと、「暮らし満足ナンバーワンのまち」の実現に向け、移住・定住促進、公共交通の再構築、子育て支援、女性の健康づくり、防災力強化などを推進していく方針が示されました。

続くシンポジウムでは、東京都国立市長・濵﨑真也氏、静岡県三島市長・豊岡武士氏、北海道東神楽町長・山本 進氏が登壇し、各自治体における健康まちづくりの成果や課題が共有されました。住民の主体的な参加を促す仕組みづくりや、歩きたくなる環境整備、コミュニティ形成の重要性について活発な議論が交わされ、Well-beingの向上に向けた地域づくりの方向性が示されました。



Well-being社会の実現に向けた政策と社会基盤のあり方

筑波大学大学院 人間総合科学学術院教授の久野譜也氏は、「これからの政策の中核はWell-being」をテーマに講演し、健康を単なる疾病予防ではなく、幸せや生きがいの実現につながる「健幸」として捉える重要性について説明しました。特に若年女性のやせや運動不足、子育て世代の健康課題を取り上げ、健康づくりを就労継続や少子化対策にもつながる重要な「投資」として位置付けるべきであると提言しました。また、孤立・孤独、アンコンシャスバイアス、健康リテラシーの低さがWell-beingを阻害する要因であると指摘し、健康・所得・社会とのつながりを一体的に高める政策の必要性を訴えました。

続いて、国土交通省 国土交通審議官の寺田吉道氏は、地域公共交通が医療機関や商業施設へのアクセスを支えるだけでなく、外出機会の創出や健康維持、地域活力の向上にも寄与する重要な社会基盤であると説明しました。人口減少や担い手不足による交通空白が全国的な課題となる中、自治体や事業者、国が連携しながら持続可能な移動環境の構築を進めていく必要性が示されました。

さらに、内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局企画官の坂西義史氏からは、SIP第3期「包摂的コミュニティプラットフォームの構築」の概要が紹介されました。人口減少や少子高齢化が進む中、「ひとりひとりの多様な幸せが実現できる社会」の実現に向け、女性支援や高齢者支援、地域の寛容性向上などをテーマとした研究開発と社会実装が進められていることが報告されました。また、今後もSWC首長研究会との連携を通じて、研究成果の自治体への展開を加速していく方針が示されました。



Well-being向上を支える政策形成と実践事例

続いて、筑波大学 客員教授・東京家政学院大学 特任教授の倉橋節也氏からは、シミュレーション技術を活用した政策形成について講演が行われました。デジタル空間上で施策効果を可視化しながら住民参加型で政策を検討する手法が紹介され、モビリティやウォーカブル施策などへの活用可能性について議論が行われました。

弊社副社長の塚尾晶子は、女性の健康向上と子育て支援をテーマに講演をおこない、女性が健康で活躍できる環境づくりの重要性を示しました。子育て世代向け支援への参加が伸び悩む背景には、アンコンシャスバイアスや「不調を当たり前」と捉える意識が背景にあることを紹介し、子育てしやすい地域づくりには制度整備だけでなく、住民同士の見守りや支え合いといった地域の風土づくりが重要であることを説明しました。そのうえで、今後は「MOM UP PARK」や「ペンギンプロジェクト」を通じて、母親の健康づくりと子育て支援の取り組みを推進していく方針を示しました。



データとスポーツが創出する新たな社会的価値

大塚製薬株式会社NC事業グループeコマース部部長の高谷浩司氏からは、尿を活用した栄養モニタリングサービス「VIV(リブー)」が紹介されました。同サービスは、尿検査によって水分摂取状況や食塩摂取量、野菜摂取状況などを短時間で可視化し、その場で結果を確認できる仕組みです。企業や自治体での実証事例では、利用者の健康意識向上や食生活改善につながる成果が報告されました。参加者からは、健康無関心層へのアプローチや熱中症対策への活用可能性などについて関心が寄せられ、データを活用した新たな健康づくり施策の可能性が共有されました。

また、EYストラテジー&コンサルティング株式会社 パートナーの岡田明氏からは、「スポーツクラブがもたらす社会的価値」をテーマに講演が行われました。講演では、Bリーグクラブの事例をもとに、スポーツが地域経済だけでなく、健康増進やコミュニティ形成、防災意識向上など多面的な価値を生み出していることが紹介されました。また、スポーツによる社会的価値を可視化する取り組みとして、SROI(社会的投資収益率)の考え方が示され、地域への投資効果を新たな視点で評価する重要性が共有されました。さらに、スポーツクラブが商店街や地域団体と連携しながら地域課題の解決に取り組む事例も紹介され、官民連携によるまちづくりの可能性について議論が行われました。



スポーツを通じた健幸な地域社会の実現に向けて

スポーツ庁 次長の浅野敦行氏からは、「国民のWell-being向上と地域経済・社会の活性化に向けたスポーツ政策」をテーマに講演が行われました。

講演では、国民のスポーツ実施率が伸び悩む現状や、特に働き盛り世代や女性の運動機会の不足が課題として示されました。その上で、第4期スポーツ基本計画において、健康増進のみならず地域課題の解決や経済成長への貢献を視野に入れたスポーツ政策を推進していく方針が説明されました。

また、学校体育館の地域開放や部活動の地域展開などについても紹介され、首長からは施設整備や指導者確保、教育的価値の維持などに関する活発な意見交換が行われました。



おわりに

本研究会では、健康、スポーツ、デジタル技術といった個別分野の取り組みを、地域のWell-being向上や持続可能なまちづくりにつなげていく重要性が改めて共有されました。

また、自治体同士が先進事例や課題を共有しながら議論を重ねることで、新たな政策の可能性を探る場としての研究会の意義が再確認されました。

当研究会では今後も、エビデンスに基づく政策形成と自治体間連携を通じて、誰もが健幸で生きがいを持って暮らせる地域社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。


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