内閣府イノベーション推進局は11月27日(水)、「内閣府SIP/BRIDGEフォーラム」を室町三井ホール&カンファレンスでハイブリッド開催しました。
「SIP」は府省の枠や旧来の分野を超えたマネジメントで科学技術イノベーションを実現するために創設された国家プロジェクトで、「BRIDGE」は研究開発とSociety 5.0との橋渡しプログラム。同フォーラムは、従来の科学技術・イノベーション政策の枠を越えたこれらの総合的・複合的アプローチが実現する未来像「Society 5.0」における新しい視点や知見を実際に獲得できる「未来の発見と出会い」の場として開催されたものです。
SIP第3期課題/BRIDGE施策説明に登壇した筑波大学スマートウエルネスシティ政策研究センター長で内閣府SIPプログラムディレクターの久野譜也は、「包摂的コミュニティプラットフォームの構築」の概要や進捗について述べ、「コミュニティの崩壊が顕在化し、孤立・孤独が明らかに増えている」とし、高齢者においてはフレイルや要介護の原因となり、妊産婦においてはその死因のワーストが自殺で、支援を要する特定妊婦は10年間で9倍に増えるに至っていると指摘。とくに妊産婦と働く女性の健康課題を取り上げました。
講演を行うSIP・PDの久野譜也
具体的には、DX活用で自宅からオンラインで参加可能な運動・相談・交流を一体的に提供する「マムアップパーク」と、プロジェクトの一環で実施した中小企業経営者へのアンケート結果等について説明。「マムアップパーク」については、効果とともに、参加者アップに苦労していると報告し、「PR戦略を強化する」と述べました。
また、中小企業経営者へのアンケートに関しては、経営陣が月経随伴症状等の女性の健康課題を過小評価する一方、それに伴う欠勤等の損失を過大評価しているなどと指摘しました。その上で、「いずれも当事者だけではなく、非当事者の価値観を変えることが大事。そのための社会技術を必ず開発し、具体化し、社会実装する」と語りました。
職域での展開については、金融機関が中小企業を支える仕組みを保有していることから、それを活用して、働く女性の健康課題を支える仕組みづくりを行う一方、AIを駆使した個別性の高い対応が可能なアプリ開発にも挑戦中と報告しました。