ICTヘルスケアサービス(e-wellnessシステム)導入による効果
e-wellnessシステムによる医療費抑制効果
医療費評価を実施した、つくばウエルネスリサーチの提携自治体において、プログラム実施による医療費抑制効果が示されています。一般的に医療費は加齢とともに増大しますが、プログラムを継続することにより、長期的には改善効果が累積的に拡大することが期待されます。
e-wellnessシステムによるメタボリックシンドローム改善効果
メタボリックシンドローム予防に取り組むS社では社員を対象にe-wellnessシステムを用いたライフスタイル型(日常の生活の中でウォーキング・筋トレを実施)のプログラムを実施。プログラム開始3ヶ月で58%のメタボリックシンドローム該当者の減少が確認されました。
D市ではメタボリックシンドローム予防を目的とした健康運動教室で、e-wellnessシステムを用いたプログラムを実施。参加者500名を対象に血液データを分析した結果、e-wellnessプログラムを活用した教室に参加したことにより生活習慣病のリスク保有者の減少が確認されました。
プログラム開始前 | 6ヶ月後 | 改善率 | |
---|---|---|---|
(1)肥満者(BMI≥25) | 212人 | 152人 | 28.3% |
(2)脂質代謝異常症群 | 307人 | 232人 | 24.4% |
(3)糖尿病・耐糖能異常群 | 79人 | 20人 | 74.7% |
*開始前にリスクがある方が6ヶ月後にどのように変化したのかを表した
*糖質代謝異常症群および糖尿病・耐糖能異常群の定義は参考資料を参照
脂質異常症の定義
悪玉コレステロール(LDL)が多すぎる場合、善玉コレステロール(HDL)が少なすぎる場合、中性脂肪(トリグリセライド)が多すぎる場合のいずれかに該当する症状。なお、脂質異常症は動脈硬化性疾患の原因にもなります。
LDL-コレステロール 140mg/dl 以上
HDL-コレステロール 40mg/dl 未満
TG(トリグリセロイド) 150mg/dl 以上
*3項目のいずれかに該当するもの
*空腹時採血が診断基準であるが、D市は食後の採血データにて分析。
糖尿病の定義
6人に一人が罹患している近年増加が著しい疾患の一つ。糖尿病であれば、心筋梗塞や狭心症になる率が2~6倍、脳卒中が約2倍とされている。
耐糖能異常の定義
糖尿病予備軍であり、動脈硬化のリスクが高いといわれている。
D市の血液検査は食後測定であるため糖負荷試験の基準である。140mg/dl以上であった79人を糖尿病・耐糖能異常群として評価した。
正常型 | 境界型(140~199mg/dl) | 糖尿病型(200mg/dl以上) |
---|---|---|
421人 | 60人 | 19人 |
体力年齢の若返り効果
メタボリックシンドローム該当者の割合と筋力・有酸素運動の関係を見ると、有酸素運動能力が高いほどメタボリックシンドロームの該当者割合が低く、有酸素運動能力が低い場合は、筋力が高いほどメタボリックシンドロームの該当者割合が低いというエビデンスがあります。つまり、体力の低下はメタボリックシンドロームへのリスクを高めるといえます。
このようなエビデンスに基づき、つくばウエルネスリサーチではメタボリックシンドロームの評価指標のひとつとして、「体力年齢※」による評価を行ってきました。その結果、つくばウエルネスリサーチが提携する全ての自治体・企業健保等において、どの年代においても、プログラム実施後の体力年齢の若返りが実証されています。
※体力年齢とは
体力を評価する方法で、体力水準を示す年齢。筑波大学の研究成果を基に6項目から構成される体力テストの合計得点から評価。現在の暦年齢と比較することで、体力水準の理解が容易となる。