新型コロナウイルス感染症対策が運動教室参加者の生活習慣や健康状態に与える影響の相互関係を示した論文が発表されました

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■タイトル
A Structural Analysis of the Effects on the Lifestyle and Health Status of Exercise Class Participants Owing to COVID-19 Prevention Measures

■概要

 新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)予防対策のために行った運動教室の休止は,長期的に通っている習慣的な参加者の運動を実施する機会や他者との交流機会を喪失させ,それに伴い心身の健康状態や認知機能に影響を与える可能性が考えられる。

 そこで,本研究はCOVID-19予防対策によって外出制限を行った,運動教室に習慣的に通っている中高齢者540人を対象として,運動不足の実感,他者との交流,及び心身の健康状態との相互関連性を構造的に明らかにすることを目的とした。

 調査は2020年4月15日~5月10日に実施した。自記式質問紙調査は,A市の自治体職員及び運動指導者が参加者一人一人の自宅を訪問し,健康状態のチェック及び質問紙調査の回収を実施してもらった。調査項目は,性別,年齢,外出制限,運動不足の実感,他者との交流,主観的健康感,精神健康度,物忘れとし,ライフスタイルと健康状態の相互関連性を構造的に明らかにするため共分散構造分析を行った。
 その結果,COVID-19予防によって外出制限を行った,運動教室に習慣的に通う中高齢者において,運動不足の実感と会話頻度の減少は,身体的及び精神的健康度に悪影響を与えており,さらに精神健康度の悪化が物忘れに悪影響を与えている可能性が示唆された。
 COVID-19の第7波が懸念されているが,感染予防対策だけに焦点をあてるのではなく,健康への二次被害の対策もあわせて実施していく必要性が示された。