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健康管理プログラム-仮設の高齢者、ICTで支える

日刊工業新聞(3月13日)に、仮設住宅入居者の健康管理支援プロジェクトの取り組みについての記事が掲載されました。

 東日本大震災で被災した人々の中で、深刻なのは仮設住宅で暮らす高齢者の健康だ。避難生活は厳しく、阪神・淡路大震災の時には孤独死やひきこもりによる生活習慣病などの2次災害が相次いだ。被災各地は復興プロジェクトが相次ぐが、東北地方が抱える高齢化問題を抜きに復興への道は語れない。対処法として情報通信技術(ICT)活用が注目される。その先には広範な住民情報を連携する「健康クラウド」の実用化がある。(編集委員・斎藤実)

 ICTを活用して、仮設住宅での健康管理を支援するプロジェクトが2011年夏に産官学の連携で旗揚げされた。発起人でもある筑波大学の久野譜也教授が社長を務めるつくばウエルネスリサーチ(TWR、茨城県つくば市)をはじめ日本IBM、オムロンヘルスケア、トッパン・フォームズなどが社会貢献活動として参画した。

 支援先は計画的避難地区の福島県飯舘村の住民を受け入れた福島県伊達市の仮設住宅。11カ所ある中で、高齢者を中心に127世帯が入居している仮設住宅向けに、TWRが策定した健康管理プログラム「eウエルネス」への参加を募った。

 仮設住宅内の集会所には歩数計や血圧計のデータを読み取ってウェブ上で一覧できるシステムを構築。読みとったデータは筑波大学附属病院の医師が遠隔でチェックし、血圧の変動があった場合に現地の保健師らに伝え、要注意者をケアできるようにした。参加者は毎週土曜日に集会所に立ち寄り、データを読み込ませるだけでよい。

 eウエルネスは「有酸素運動、筋力トレーニング、栄養の三つ。参加者への意識付けはもとより健康データをチェックしながら適時アドバイスする」(菅洋子TWR研究開発部主席研究員)のがノウハウ。通常は歩数計のみを行うが「高齢者が多いため、血圧計も無償供与した」(中島正幸TWR健幸づくり支援プロジェクトリーダー)。

 参加者の内訳は6割が60歳以上で、しかも70―80代が中心。通常、eウエルネスは要介護者はリスクが高いため対象外としている。だが、今回の震災に際しては直面する現実を「日本の縮図」として受け止め、支援を続けている。

 開始から5カ月余がたち、集会場は想定通りに、人々のふれ合いの場として機能している。eウエルネスが提唱する「しっかり歩き」の実践が高血圧の改善につながっていることも実証された。「他の仮設住宅よりも入居者が明るく元気だ」と地域での評判も良い。

 社会貢献としての活動(6カ月間)は3月末に一区切りする。4月以降は国の補助金での運営を検討中。飯舘村からは同様の取り組みを他の仮設住宅にも広げたいとの要望も受けている。

 健康をキーワードにした街づくりは医療費の軽減にもつながる。高齢化や過疎化に向き合う全国市町村に共通するテーマでもある。総合特区ではICT活用による健康クラウドの実用化が俎上(そじょう)に載っている。

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